オールオン4 ザイゴマインプラント で 完璧な歯 を作る方法
オールオン4 や ザイゴマインプラント はインプラントの定着後に、仮歯から本歯に切り替えていきます。この時、自分の要望と合うような「 完璧な歯 」はどうやって作られていくのでしょうか。
「自分の顔の形にあった歯がいい」
「自然に明るい歯がいい」
「女優さんのような歯がいい」
上記のような要望をよくいただきます。皆さま、要望は様々です。
完璧な歯とは、歯科医師が付与する機能性と審美性が患者さんの整容観と一致するような歯と、わたしたちは考えています。そのために、歯科医師のイメージする歯と患者さんのイメージする歯のすり合わせが重要になってきます。
この記事では、オールオン4 ( ザイゴマインプラント )の手術を終え、現在、仮歯を装着しており、本歯を制作していく患者さん向けの内容になります。下記は、当院でしか対応できない内容が多く含まれています。
理想の歯のイメージを固めてもらう
前歯の造形は様々です。多くの人は顔の輪郭に応じて、四角い歯(Square)や三角な歯(Triangular)、丸い歯(Ovoid)を持たれています。
” 先生におまかせ “であれば顔の輪郭や肌の色に合わせて、歯を歯科医師主導で選択していきます。
ほとんどの方が「顔の輪郭に合う歯」を希望されます。
そこから、自分にとっての本歯に近づいていきます。当院では、さらにこだわることも可能です。つまり、「自分が好きな歯」や「自分がなりたい歯」を追求することが可能です。そのためにイメージを固めてもらいます。
サンプル写真の一覧から
サンプル写真から気に入ったデザインを選んでいただきます。サンプル写真は特徴的な画像を10種類ほど準備しています。一番前の歯が大きめがいいとか、三番目の歯がとがっていないなど、よく見ると特徴があります。しかし、「歯だけではイメージが湧きません」という方もいらっしゃいます。歯のイメージをある程度固めて自身の顔写真でバーチャル試適を行います。
検索した画像や動画から
ある程度自分のなりたい歯が決まっている場合は話しが早いです。当院で「こんな歯になりたい」と写真を提示していただけるとそれに合わせたご提案ができます。しかし、鼻の形や唇の形は歯の並びにも影響が出るので、提示された画像の通り歯を配置しても実際はイメージ通りにはならないこともあります。そのため、なりたい歯のイメージに近づけるため、バーチャル試適を行います。
自分の顔でのバーチャル試適から
・顔の輪郭に合う歯
・サンプル写真から選んだ歯
・検索した画像の歯
などから、あなたのイメージに近い歯が選択されます。次に自分の顔と選択された歯を用いてバーチャル試適を行います。選択された歯と顔のバランスが問題ないかを確認することができます。希望があれば、メールやLINEなどを用いてこのバーチャル試適の画像を確認していただくことも可能です。もし、イメージと違う場合は歯の形や種類を変更することもできます。
当院の独自特許のフェイシャルスキャンボディにより、患者様ごとの顔に対して、より整合性の高い本歯の提供が可能となります。(特許6437699号)
理想の歯がイメージできたら、顔に合わせて歯を配置します。黄金比(Golden ratio)をベースに顔の中心かつ左右対象に配置されます。実は多少ですが、人の顔は左右で歪みがあります。その歪みも考慮して目の位置や鼻の位置、唇の位置からベストポジションを目指します。それ以外にも咬合平面、リップサポートなど設定項目は沢山あります。
歯のイメージを具現化する
オールオン4プロトタイプの製作
これまで、理想の歯のイメージや形状を想像してきました。実際には、患者さんはオールオン4 の仮歯を装着しているので、「もう少し奥で噛みたい」「仮歯に近い状態がいい」などの現在の仮歯の機能性についてのフィードバックもいただきます。これらの情報から、図6のオールオン4 プロトタイプ が製作されます。最新の3Dプリンターにより製作されます。色味は自由に変えられますが、図6は輪郭強調色となっています。輪郭強調色の方が歯の形状を指摘しやすいです。プロトタイプは樹脂でできているため、ローコストで製作可能です。
オールオン4プロトタイプを装着
実際にイメージが具現化されたオールオン4プロトタイプを装着します。この工程はよりこだわる患者さんが選択されます。実際にプロトタイプを試着してみることで審美性・機能性の改善点に気づきます。
「歯をもう少し大きくしたい」(審美性)
「歯の輪郭をやっぱり四角にしたい」(審美性)
「歯の並びをもう少し広げたい」(機能性)
など、本歯に向けての下地を完成させます。大幅なチェンジがご希望の場合、ここはラストチャンスになります。プロトタイプ自体は何度も製作は可能ですが、都度費用はかかります。さらに別料金でプロトタイプを装着したまま帰宅し、食事などで使用してみることも可能です。歯科医院でのプロトタイプはオフィスプロトタイプ。持ち帰って実際に使ってみるプロトタイプはホームプロトタイプとなります。
※プロトタイプのやり直しの1例
図8に実際に歯のデザインを変更した1例を示します。バーチャル試適まで終え、それを元に 1st trialとしてプロトタイプを提案しました。顔の輪郭や特徴に合わせて歯のサイズやバランスもばっちりなのですが、ご本人としてはもう少し歯の主張を控えめにしたいとのことでした。
「歯はもう少し暗めにしてほしい」
「歯を小さくしたい」
「歯の治療をしたことが分からないように」
患者さんは皆様、状況は異なります。また、歯の好みも人によって違います。オールオン4やザイゴマインプラントまで治療されている場合、歯のデザインをかなりのレベルまで追求することが可能となるのです。
完璧な歯 (自分の理想の歯)へ
オールオン4ファイナルの完成
本歯 (オールオン4ファイナル, ザイゴマインプラントファイナル)の完成です。仮歯からプロトタイプを経て、本歯になりました。時間も回数もかかりますが、自分の理想を可能な限り追求したファイナルを製作することが可能です。しかし、多忙な患者さんもいらっしゃるのも事実です。その場合は、プロトタイプの工程を省略することも可能です。
本歯 (ファイナル) の製作工程
仮歯が気に入ってて、「そのまま」とか「体裁だけ整えて」の場合は、すぐに本歯の完成が可能です。仮歯の機能面は問題はないとか、「先生におまかせします」であれば、バーチャル試適だけ希望することも可能です。これは、上述したようにメールもしくはLINEなどを用いて事前に歯のデザインの画像を共有することが可能です。
オールオン4ファイナルの装着
本歯のマテリアルも多種多様にあるのが実際です。この患者さんの場合、図11にあるように、「できるだけ自然に」「やや小さめの丸い感じの歯」がご希望でした。この歯の色味(シェード)は A2 になります。当院で対応可能な歯のシェードは、
・ホワイトニングカラー
M1 M2 M3
・ノーマルカラー
A1 A2 A3 A3.5 A4
B1 B2 B3 B4
C1 C2
となっています。普通の成人の歯の色味は A3 くらいなので、 A2 だと普通に明るくてきれいな歯となります。A1 で白くて明るい歯というイメージです。ホワイトニングカラーだと「白い歯」という感じになります。
完璧な歯は、わたしたちだけではなく患者さん自身と一緒に製作をしていきます。真っ白な歯、自分の顔の比率に合う歯、黄金比でできた歯、著名人のような歯 ― 。様々な歯のご提案は可能です。オールオン4、ザイゴマインプラントをされた患者さんの「歯の悩みが、歯を選ぶことができる喜び」になる瞬間です。
最後までお読みいただきありがとうございました。今回は「オールオン4 ザイゴマインプラント で 完璧な歯 を作る方法」をテーマに記事を書きました。歯の深刻な悩みをお持ちの方に向けて記事を書いていますが、疑問は解決しましたでしょうか? 皆様のインプラントに関する不安を少しでも軽減できる情報を提供できればと考えています。
本ブログは「双方向」であることをモットーとしています。本ブログ読者からのインプラント、All-on-4、ザイゴマインプラントに関するフィードバックやご質問に、できる限り筆者が記事を書いたり、個別返答でお悩みにお答えすることができます。
※本ブログはインプラント・ザイゴマインプラント専門のブログとなりますのでご了承ください。
著者紹介
大多和 徳人
おおたわ歯科医院
オールオン4 ザイゴマクリニック
院長 歯学博士
専門分野
重度歯周病 / ザイゴマインプラント
学歴・職歴
- 九州大学歯学部歯学科卒業
- 九州大学大学院顔面口腔外科卒
- 九州大学病院デンタルマキシロフェイシャルセンター勤務
- 大分岡病院顎顔面外科マキシロフェイシャルユニット勤務
- ALLON4 ZYGOMA CLINIC開設
所属学会
- 日本口腔外科学会所属 認定医
- 顎顔面インプラント学会所属
- ICOI(国際インプラント学会)所属 認定医
- All-on-4 ザイゴマインプラント協会 理事
- Study Group of the Edentulous Solutions 理事
- ZAGA CENTERS所属 認定専門医
専門
- オールオンフォーザイゴマインプラント
- 九州大学総長賞受賞
(テーマ: 3Dプリンターによる三次元骨再生) - 博士号取得
(テーマ: カスタムメードチタンメッシュでの骨再生) - 国際特許取得
(主題: All-on-4 のための三次元スキャンボディの開発)
※詳しいご相談はこちらのフォームから承っております。