30代 や 40代 でも 入れ歯 ？虫歯や歯周病の終着点と対策

30代 や 40代 。皆さんはこの年齢を聞いた時にどんなお口の中を想像しますか？おそらく、多くの方がほとんど治療経験のない口の中のきれいな方や虫歯の治療をした場所が数か所あるが基本的には全部自分の歯の方、差し歯が数本だけあって残りは全て健全な歯の方を想像するかと思います。
しかし、実際には様々な患者さんがいます。30代や40代でも多くの歯を抜歯していたり、虫歯や歯周病でボロボロな方もいます。その原因として理由も様々ですが、理由に関しては以前の 30代や40代で歯がボロボロ 前歯 ぐらぐら の原因と治療法 に記載しています。大事な事はその様になってしまった状態でどのように、そのお口の中と付き合っていくのかという事です。

①治療は行わず痛みや咬みづらさを我慢して、食べれる物を食べて、そのお口の中と出来るだけ付き合っていくのか？ ②痛みのある歯は神経の治療をしたり抜いたりして、除痛治療のみの最低限の治療で終了するのか？③残せる歯を残してブリッジや部分入れ歯を入れるのか？④残せない歯を抜いて空いたスペースにインプラントを数本入れるのか？⑤全部抜いて全部入れ歯にするのか？オーバーデンチャーにするのか？というのが一般的な選択肢になってきます。
今回は上記の様な場合、継続するとどのような結果が待っているのか？その結果について記載致します。

治療は行わず我慢しておく

治療を行わない、このような方は実は結構います。理由としては、仕事が激務で時間がとれない、小さい頃や過去の治療のトラウマで歯科医院に恐怖で行けない、金銭的な事情が心配で歯科治療に行ってないなどがあります。

しかし、虫歯は放置する事で徐々に進行して歯が失われていき、根っこだけになって噛めなくなります。歯周病は歯がぐらつき始めて、そのままにしていると抜けてしまい噛めなくなります。そんな中でも何とか我慢されている方もいらっしゃいますが、我慢の限界を迎えて初めて結局歯科医院を受診されるという方もいらっしゃるようです。このようなケースで受診された場合、処置の難易度が上がっており、結局、痛い治療になる可能性や回数のかかる治療になる可能性、費用のかかる治療になる可能性があります。

ですので、踏みとどまっている方は早めに自分に合いそうな歯科医院を探して、受診計画を立てた方がいいでしょう。

除痛を最優先治療とし、最低限の治療で終わらせる

治療はしないで我慢する患者さんとは異なり、痛みだけはとりたい患者さんも中にはいます。神経の治療、抜歯治療を最優先で行い、徐痛後に歯を作る治療などはせずに治療を終わらせるという方法も一応あります。

抜歯や抜髄（神経を抜く治療）を行った歯科医院からはあまり勧められませんが、ご本人の強い希望があれば、一応このような形で一旦診察を終了する事も不可能ではありません。しかし、神経を抜いたまま治療しないで放置すると結局感染して歯が失われていきますし、痛みや腫れを引き起こす原因となります。また歯を抜いたまま何もしないで放置すると隣の歯が倒れ込んできたり、対合の歯がのびてきたりします。

こうなってしまうと結局、また歯科医院へ受診する必要が出てきてしまいます。次々に歯の抜歯や削合が必要となり、最終的には歯がなくなってしまうかもしれません。ですので、歯の痛みを取り除いた後は歯を作るという対応をしておく必要があります。

残せる歯は残してブリッジや部分入れ歯をいれるのか？

ブリッジや部分入れ歯は一般的な保険治療としては良い治療法だと思います。これには条件があり、ブリッジは支えとなる歯がしっかりとしている必要があり、虫歯でボロボロになった歯、歯周病でぐらついた歯だとブリッジの歯として利用する事が不可能となります。ブリッジは無理に作成しようとしても適合不良となったり、脱離したり、歯が欠けたりして予後不良となる可能性があります。

ブリッジが難しい場合は、入れ歯治療を選択しなければなりません。歯がボロボロや前歯ぐらぐらという方はブリッジの治療を用いることが難しい場合が多く、保健治療でそれを解決するには、割と大規模な部分入れ歯を用いるケースが多いです。入れ歯になると取り外しの煩わしさ、入れ歯の違和感、見かけの違和感、咬むことの違和感や話す発音等、ブリッジでは起きにくい不都合が出てきます。

30代や40代でもブリッジが出来ず、部分入れ歯をしている方は意外と多くいます。ブリッジの方も入れ歯の方も徐々に残存歯が減っていき、全部入れ歯に近づいていきます。30代や40代で入れ歯というのは、その病院の治療方針にもよりますが案外現実的なお話になってきます、入れ歯になる年齢が早ければ早い程、入れ歯で過ごす時間というのが人生で長くなってしまいます。

残せない歯は抜いて、インプラントを入れる

出来るだけご自身の歯を残したい人で金銭的な余裕がある方は、インプラント治療という選択肢もあります。しかし、ノーマルインプラントを数本入れるという事はご自身の骨の形状の問題や術者の技術的な問題で困難なケースもあります。残すことができない歯というものは、多くの場合が歯だけでなく骨にもダメージがある場合が多いです。

したがって、抜歯された部位にインプラントを埋入したいと考えても、骨が吸収している・欠損しているなどの問題で埋入出来ないケースというのが多分にあります。その為、骨を作る必要が出てきたり、特殊な手術が必要になることもあります。このような場合の多くは骨を作ってからインプラントを埋入する為、１箇所につき半年から１年と多くの時間を要します。またインプラントと隣り合う歯との位置関係も考慮する必要があります。埋入する為の十分なスペースが確保出来なかったり、隣り合う歯との審美的なギャップが強く、違和感が大きくなったりしてしまう事もあります。

インプラントの隣の残せる歯がインプラントより先に悪くなって残せなくなり、最終的に全ての歯がインプラントとなってしまう事もあります。そうなると費用の負担も多くなり、治療回数も結果として多くなります。

このような事を考えると、保存状態が悪く残すことができない歯を無理に頑張って残すという事が必ずしもいい事なのかどうか悩ましい問題となります。歯科医師の間でも意見の分かれる所です。

全部抜いて入れ歯にする

それでは、上下総入れ歯の方はどのようになっているのでしょうか。今後虫歯や歯周病由来の痛みや炎症症状で悩まされる事がなくなりますし、入れ歯が完成すればそれ以上の治療をする必要は一旦なくなります。そういった意味では、すっきりする事が可能な治療と言えるかもしれません。

また普通の総入れ歯であれば保険適用にもなります。金銭的な余裕があれば自費でオーバーデンチャー等の入れ歯という選択肢もいいかもしれません（オーバーデンチャーに関しては過去のオーバーデンチャーとオールオンフォーの違いで記載しています）。

しかし上記はあくまで大前提に、今後の人生を入れ歯と付き合っていく覚悟があればという事になります。また歯がなくなり入れ歯になるとどうしても高齢化したような顔になりやすかったり、以前程美味しく食事が出来なくなったり、咬みづらいものが出てきたり、入れ歯が原因の傷や腫れに悩まされる事が出てくる可能性があります。また、最初は適合の良かった総入れ歯も時間の経過とともに必ず適合が不良になってくるので、調整や再制作は必須となります。

また残す事が可能な歯も抜いてしまいますので、そこに抵抗を覚える方も多いかもしれません。全て抜歯するメリットが抜歯しない事のメリットを上回ればいいのですが、その可能性というのは低いかもしれません。　

結局、どの選択肢の終着点にも難がある

虫歯や歯周病というのは上記の事を考慮すると、進行してしまった場合は本当に大変な疾患である事が分かります。そして最終的には不自由を患ったり、コストがかかったり、歯科医院への通院が増えたり、余計な苦痛や時間やコストがかかってしまいます。

そうして、いざ治療をする事を決心した時には残された選択肢が少なく、多くの場合は入れ歯かインプラント（しかも条件付き）となってしまいます。年齢が比較的若くてもこういった問題に直面してしまう可能性は意外と少なくありません。

金銭的に余裕があったり、十分な埋入スペースがあってインプラント可能であればいいのですが、条件が全部整っている場合というのは意外に多くないため、入れ歯を検討しなければならない場合もあるかもしれません。

30代や40代 でも入れ歯？・・そのような方にこそ・・

30代、40代と比較的お若い方でも入れ歯しか選択肢がない場合もあるのでしょうか…。 いえ、治療は諦めないで下さい。そのようなお悩みをお持ちの方でも当院のAll-on-4でしたら、治療が可能かもしれません。当院にご来院頂く方には30代や40代の方も多くいらっしゃいます。

また当院独自の調査によると、All-on-4相談目的でご来院頂いた方の来院動機の多くは、入れ歯が不満だったという結果になっています。他院へインプラント相談に行ったが、ノーマルインプラントを断られて、入れ歯かオーバーデンチャーを勧められた。こういった動機でご来院頂く方は実は少なくありません。それぐらい入れ歯の違和感や不具合というものが患者さんにとっては受け入れ難いものなのだと思います。また、若い方は年齢的な事だけで入れ歯に対する抵抗感があるようにも感じられます。

All-on-4は単純に費用という観点だけで見てしまうと、高額となりデメリットと感じてしまうかもしれませんが、インプラント4本より多い本数を埋入する場合はかえって安価になるケースが多いです。またオールオン４は、歯や骨の状態を選ばずに即時荷重（当日に歯が入る事）となり、通常のインプラント治療のように骨を作る期間だけは入れ歯で我慢して頂く必要がありません。また手術は1日（実際は上下でも２時間程度）で終わる為、治療の回数や時間も少なくて済みます。審美的な観点でも、全ての歯の色や形を揃えられる為、仕上がりが美しくなります。咬み心地に関しても、入れ歯と比べるとご自身の歯に近い感覚が得られると思います。

歯を全て抜く事に抵抗の強い方もいらっしゃるかもしれませんが、結果的に全て抜歯するメリットが抜歯しない事のメリット より上記のような理由で高い為、納得して選択される患者さんが多数いらっしゃいます。

歯を抜くのは痛いから恐いからという方に関しましては、静脈内鎮静法を術中に行う為、大きな問題とはなりません。当院で行った術後アンケートで殆どの方は術前は手術は恐かったけど手術中は恐くなかったとお答え頂いております。

この事から、30代や40代の方でもオールオン４のメリットが高い患者さんには是非受けて頂きたい治療だと思っています。勿論、ご年齢に関わらず、この様なお悩みで悩んでいる方がいらっしゃれば受けて頂ければと思います。
同じようなお悩みの方は沢山いらっしゃいますので、このような症状でお困りの方は、まずは当院へご連絡頂ければと思います。