他院で オールオン4 手術を 断られた ・・
他院で オールオン4 手術を 断られた ・・
当院では?どうだったのでしょうか。
過去の投稿では、インプラントやAll-on-4を断られた 人でもできるAll-on-4ザイゴマインプラントをご存知ですか?やインプラントを 断られたとは?などで記載させていただきました。
今回は実際の症例に基づいてご紹介したいと思います。実は、他院で歯科治療を断られて当院へお越しになる方は多くいらっしゃいます。他院の先生方は苦渋の決断で歯科の処置や手術を断られていると思います。特に、【患者さんへの思いが強い歯科医師】にとって「治療を断る」という事は実はとても勇気がいる事でもあります。また、そのくらい通常の歯科治療で対応するのが困難な状態だったことが予想されます。
他院の先生方が苦労するような症例の場合、当院でもクリアする為のハードルが高く、困難を極めます。しかし、わたしたち「ALLON4 ZYGOMA CLINIC」は様々な方法を駆使し、ザイゴマインプラント治療を中心として、不可能を可能としてきました。これは、急性期病院の救急外来での骨折治療などの長年の経験で培ったスキルや、数多くの困難な症例を手探りで治療していた経験が寄与したと考えています。そして過去に対応困難であった症例も、現在では当たり前の手術として対応しているものも沢山あります。
今回は上顎洞炎を伴った歯がボロボロの症例に絞って、当院がどのような対応にてオールオン4ザイゴマにて治療完了できたかをご紹介していこうと思います。
右上顎洞炎があって、他院で断られた・・
上顎洞炎のある方は、インプラント手術を困難なものにする可能性があります。図1は上顎洞炎を患っている方のレントゲン画像です。上顎洞炎は副鼻腔の一つである上顎洞に起こる炎症ですが、歯や歯科処置とは関連していることが多いです。日本人の2人に1人が、上の奥歯が上顎洞を貫通していると言われています。つまり、その奥歯に虫歯や歯周病で細菌感染があった場合、上顎洞炎になりうるということになります。
それだけではありません。歯が抜けてしまった、歯がぐらぐらになった後に歯周病がさらにひどく進んでしまうと、さらに顎堤の異常吸収が起きます。上顎の臼歯部の骨が失われることになるので、上顎洞底(上顎洞の1番歯の骨に近い場所)に接している歯槽骨(歯が植っている骨。ここでは上の奥歯周りの骨)が非常に薄くなります。これにより、上顎洞炎の罹患、もしくは潜在的な上顎洞炎のリスクがある状態にもなりえます。
患者さんは、歯がボロボロ・ぐらぐらだから、歯が欲しい・歯で噛めるようになりたい、という治療希望があります。しかしながら、上述したような、上顎洞炎に罹患、もしくは潜在的な上顎洞炎のリスクのある患者さんの場合、通常のインプラント治療では対応できないと考えられます。それは、上顎洞炎の拡大だけでなく上顎の骨が吸収して菲薄になっている可能性、またインプラント埋入後の術後の反応(腫れや痛みや熱発等)が上顎洞炎によるものなのか、インプラント手術によるものなのか、あるいはいずれの原因も影響しているのか、原因が分からなくなる可能性があります。こういった事が出てきますと基本的には治療のゴールが不明瞭なものとなってきます。
しかし、当院では上顎洞炎に対する数多くの治療実績や対応のノウハウがあります。ですので、「他院にて上顎洞炎があって治療断られた」「サイナスリフト(骨造成治療)がうまくいかなかった」「入れ歯しか無理と言われた」と、このような方々でも治療できる可能性があります。図1は実際の当院患者様の症例となります。パノラマ画像とCT画像で紫の点線で囲んだ部分は、白っぽくなっているような画像が確認できるかと思います。パノラマ画像ではやや不明瞭ですが、CT画像ではっきりと左右差がある事が分かると思います。
オールオン4やザイゴマインプラントを断られる症例
年齢, 性別, 地域 | 62歳, 女性,大坂 |
主訴 | ザイゴマインプラント治療 |
現病歴 当院にかかるまで | 上顎の入れ歯が合わず、ネットでオールオン4を知った。関東の歯科医院ではザイゴマインプラントでしか治療できないと治療を断られ、関西の歯科医院では上顎洞炎があることと難しいという理由で治療を断られた。ネット全国を探し、ALLON4 ZYGOMA CLINICを見つけ令和6年受診。 |
術式と治療内容 | EZ4(イージー4)concept ・上顎オールオン4 ザイゴマインプラント ・上顎洞根治術 Otawa法 |
治療のリスク | 術後、口腔内環境が不良になった場合、感染等のリスクがあります。術直後は食事に制限(硬めの食べ物の禁止)があります。術後に腫れや痛みが出る可能性があります。 |
治療費の目安 | ¥3,610,000- |
図2:患者一例 治療費は症例により異なる
上記に実際にオールオン4やザイゴマインプラントを断られた一例を紹介します。骨が少ないから、普通のインプラントでは治療できないと言われ、ザイゴマインプラントでしか治せないと思うが関東の歯科医院では骨が少なすぎて、かなりチャレンジングな手術になるといわれたそうでした。次に行った関西の歯科医院では、上顎洞炎があるため、関西の歯科医院では口腔外科的な対応ができないから、まずは耳鼻科で副鼻腔炎の加療をお願いされたとのことでした。ちなみに、ご本人としては、鼻詰まりなどがあり上顎洞炎のような症状の自覚があったそうで、そもそも症状を抑える治療を受けていたとの事でした。
ネットで検索し、ザイゴマインプラントを専門的に治療をし、さらに口腔外科にて多くの上顎洞根治術の経験がある当院を探し出したとのことでした。大阪からなので新幹線で博多駅まで2時間程度かけて受診されました。
今回、上顎洞炎もあり上顎骨も菲薄な状態でザイゴマインプラントも必要、さらには上顎洞根治術も行い特殊な器材や薬剤も必要という事で、かなり難易度の高い手術となりましたので、どうしても費用の方も嵩んでしまいますが、うたた寝した状態からはっきり覚めた頃には、歯が入り、鼻の症状も落ち着き今までの様々な不快感から解放されると考えますと、実は金銭的なもの以上の価値があるものなのかもしれません 。
続いて、術後の比較を下記に記載しましたのでみていきましょう。
術前術後を比較
当院に受診後、術式の確定、治療費の確定がされ、およそ1ヶ月後に手術は行われ、およそ1時間30分程度の手術時間で終了しました。
術後、CT撮影を行い、術前と術後について比較しました。青の枠で囲った部分をみてみましょう。術前の写真と比較して、術後の写真は灰色から黒色になっているのがわかると思います。これは、含気性がよくなっていることを示します。上顎洞根治術のotawa法を用いるとここまで改善できる場合もあります。また、上顎洞の外側に白く写っているものがザイゴマインプラントとなります。頬骨にきっちり埋入されているのがわかると思います。よって、上記2つの手術を同時に行った事を画像から判断する事ができます。
患者さんの術後の反応に関しては、鼻の症状の訴えはなく、落ち着いてきているようでした。当然、感染を示唆するような明らかな症状もなく経過良好である事がうかがえました。さらに術後すぐから、これまであった鼻炎の症状もなくなったとのことでした。
お口の中の様々なトラブルでお困りの方々が当院にお越しになられます 。
現在、日本だけでなく、世界中から様々なお口の中の様々なトラブルでお困りの方々が当院にお越しになります。しかも皆様のお悩みは、お口の中だけに留まらず、お口の周囲の問題、上顎洞や顎変形症等の問題、全身的な問題等、様々な問題を抱えた方がいらっしゃいます。皆様、それを解決するためにオールオン4ザイゴマを求められていますが、とても難しい手術です
当院では、様々な方の手術を行ってきましたが、1000以上を超える症例に向き合い、その都度、患者さん自身やスタッフと協力して、成功に導いてきました。その経験からさらに適応症例が増え、より多くの方の治療が可能となっており、多くの患者さんにお越し頂いています。
今後も、さらに難しい症例の方がお越しになられる事が予想されますが、上顎洞炎をお持ちの方、他院でオールオン4手術を断られた方や他院でザイゴマインプラントを失敗された方ももっと増えてくると思います。当院はそうした方々、お一人お一人にベストを尽くして、お口の中から御身体が元気な状態になれるような歯科医院を目指します。
最後までお読みいただきありがとうございました。今回は「他院で オールオン4 手術を 断られた ・・」をテーマに記事を書きました。歯の深刻な悩みをお持ちの方に向けて記事を書いていますが、疑問は解決しましたでしょうか? 皆様のインプラントに関する不安を少しでも軽減できる情報を提供できればと考えています。
本ブログは「双方向」であることをモットーとしています。本ブログ読者からのインプラント、All-on-4、ザイゴマインプラントに関するフィードバックやご質問に、できる限り筆者が記事を書いたり、個別返答でお悩みにお答えすることができます。
※本ブログはインプラント・ザイゴマインプラント専門のブログとなりますのでご了承ください。
著者紹介
大多和 徳人
おおたわ歯科医院
オールオン4 ザイゴマクリニック
院長 歯学博士
専門分野
重度歯周病 / ザイゴマインプラント
学歴・職歴
- 九州大学歯学部歯学科卒業
- 九州大学大学院顔面口腔外科卒
- 九州大学病院デンタルマキシロフェイシャルセンター勤務
- 大分岡病院顎顔面外科マキシロフェイシャルユニット勤務
- ALLON4 ZYGOMA CLINIC開設
所属学会
- 日本口腔外科学会所属 認定医
- 顎顔面インプラント学会所属
- ICOI(国際インプラント学会)所属 認定医
- All-on-4 ザイゴマインプラント協会 理事
- Study Group of the Edentulous Solutions 理事
- ZAGA CENTERS所属 認定専門医
専門
- オールオンフォーザイゴマインプラント
- 九州大学総長賞受賞
(テーマ: 3Dプリンターによる三次元骨再生) - 博士号取得
(テーマ: カスタムメードチタンメッシュでの骨再生) - 国際特許取得
(主題: All-on-4 のための三次元スキャンボディの開発)
※詳しいご相談はこちらのフォームから承っております。